そのため価格競争が激化。この間までなら考えられないような価格で各都市を結ぶようになった。
格安夜行バスは運賃の安さから全国に広がったが、最近では相次いで重大事故が報告されるようになった。またその劣悪な労働条件も問題になり、例えば交代運転手が貨物室で就寝すると言う状況だけでなく、中には交代要員を乗せずに運行する事業者さえ現れた。また賃金の低下も問題となり、一時バス運転手が大量退職する問題が表面化したこともある。今やバスは「最も危ない乗り物」とまで言われる様になった。
格安夜行バスは規制緩和の賜物といえる。しかしこの規制緩和が現在の夜行バスの事故増加に拍車をかけたといえる。国土交通省によると、貸し切りバス事業者は99年度は2336業者だったのが、翌年の規制緩和で免許制から許可制になり、04年度は3743業者に増えた。その約7割がバス10台以下の小規模事業者。事業者増加で競争が激化し、運賃はピーク時の半額に下落。業者は「働いてももうからない」状態にある。
格安夜行バスを運転する運転手の収入は400万円を切っているという。年収400万円ということは生活をしていくにも充分ではない。ほとんど休みなく働いている中でのこの収入は、格安夜行バスを運営する企業側も考えなければならない。